エンジニアに必要なものは何か?

プログラミング学習

【Web系企業・SIerの特徴とは】Web系が絶対じゃない!|エンジニアに必要なのはユーザーにとっての価値を考えること

目次(ここを押すと開閉します)
  1. 自分でサービスを考えられるエンジニア(サービス指向エンジニア)ならどこでも活躍できる
  2. Web系企業・SIer・フリーランス 重要なのはそこじゃない
  3. 受託開発からパッケージシステム販売、SaaSへ
  4. エンジニアとして自分が何を重視するか
  5. 【技術志向よりサービス志向】技術はサービスを実現するための手段。技術のスペシャリストは生きづらい。
  6. エンジニアになる理由を説明できるか
  7. Web系 SIer コンサル 新卒ではどこがいいか? 未経験転職ではどこがいいか?
  8. Web系とSIerの特徴とそれぞれのメリット・デメリット
  9. Web系企業とは何か?
    1. 特徴
    2. メリット
    3. デメリット
  10. SIerとは何か?
    1. 特徴
    2. メリット
    3. デメリット
  11. 【Web系・SIer・コンサルティングファーム】自分に合った会社を選ぶ
  12. 最新技術を積極的に使って仕事をしたい人にはWeb系。ただし、サービスおよび会社の将来性などを良く吟味して。
  13. 大きな仕事をしたい。たくさんの人と係わって働きたい。それなら、SIerや総合コンサルティングファーム。
  14. 独自のサービスやアプリを作って稼ぎたい人は起業しましょう。
  15. 自由な働き方がしたいし、年功序列とか、上司部下の関係に縛られたくない。それなら若い会社が多いWeb系の方が選択肢が多い。
  16. 将来にあまり不安のない、安定性を求めるなら、SIerやコンサルティングファーム。Web系は一部大手に絞られる。
  17. エンジニア未経験からの転職は、現職の業務経験を活かせる会社を選びましょう。Web系ならなおさらです。
  18. 新卒では、技術に自信があるならWeb系でもOK。文系学部等の出身であれば中堅・大手SIerやコンサルティングファームの方がおすすめ。
  19. Web系だから一概に良いとは言えない。それぞれの会社をしっかり調べて自分に合うものを探そう。

自分でサービスを考えられるエンジニア(サービス指向エンジニア)ならどこでも活躍できる

ビジネス系YouTuberと呼ばれるような方々が、企業に勤めなくてもフリーランスのプログラマーとして、もっと自由に楽して稼げるなんてことをいっているのを見かけます。

エンジニアと呼ばれる職業で長く働いてきた私から見ると、「そんな誰でもできる仕事で月収数百万円もの高収入を得たなんて本当なの?」と思ってしまいます。本当だとして、それはその人が営業的な側面で自分を売り込むことがうまいからだと思います。

はっきりいって、ちょっとプログラミングを学習して未経験から高収入を得るなんてことはほとんどの人にはできません。今回はエンジニアとして継続的に働いていくにはどうすればいいのか、高収入を得られるような人材に必要なことを話していきます。

結論からいうと、「自分でサービスを考えられる」ということが必要です。サービスを考えるなんていいましたが、新しいサービスを一から考えられる必要はないんです。いかにユーザーのことを思って、ユーザーの使いやすいもの、ユーザーが喜ぶことを考えられるかかということです。

Web系企業・SIer・フリーランス 重要なのはそこじゃない

これからエンジニアを目指そうという方には、なんとなくWeb系エンジニアがいいというイメージがあるかもしれません。実際、そういったことを発信されている方もたくさんいます。

それらを見て私は、「Web系って何? そんなに偉いの?」って思います。Web系を推している人が良くSIerと呼ばれる企業をバカにしているのを見かけます。確かに、SIerと呼ばれる企業は、昔は受託開発をメインにしていて、それは今の時代にそぐわなくなっています。

受託開発とは何か、おおざっぱにいうと、ユーザー企業の依頼を受けて、ユーザーの要求どおりのシステムを開発するということです。これはユーザーの要求に振り回されて、開発する側の社員は長時間労働や強いストレスをしいられ、あまりもうからないどころか赤字のリスクも高いという、開発側にとってはいいことがありません。

一方でWeb系企業を、「独自に考えて開発したシステムをWeb上で提供している企業」とするならば、受託開発とは無縁で、自分達の裁量でシステムの機能や提供スケジュールを決定できます。(実際にはそんなに甘くありませんが。)

ここまでの説明であればSIerを選ぶ理由はないでしょう。でも、SIerと呼ばれる企業だって時代に合わせて変化していきます。

受託開発からパッケージシステム販売、SaaSへ

SIerがどう変化してきたかを簡単に表すと次のようになります。

フルオーダー → イージーオーダー → パターンオーダー → 既製品販売 → 既製品をWeb上で販売

上記はシステムの販売方法の変化を、一般的にイメージしやすいように洋服のスーツ販売等で用いられる言葉で表したものです。

フルオーダーとは、先に説明した受託開発そのものです。ユーザーに合わせて、ユーザーの望み通りに一からシステムを構築して提供します。

イージーオーダーとは、受託開発であることは変わりませんが、同じ業種のユーザーに絞って受託して、別のユーザーに提供したシステムと共通する部分を再利用して提供します。

パターンオーダーとは、受託開発ではありますが、既製品の販売に近く、システム会社が独自に開発したベースとなるシステム(パッケージシステム)の一部をユーザーの要求に合わせて変更(カスタマイズ)して提供します。

既製品販売とは、先に説明したパッケージシステムをそのまま販売します。上記のパターンオーダーとの違いは、ユーザーごとのカスタマイズをしない点です。そのかわり、パッケージシステムにあらかじめいくつかの切り換え可能なパターンを用意し、そのパターンを切り換えることでユーザーの要求に近くなるようします。

既製品をWeb上で販売とは、ユーザーに納入して提供していた既製品を、Web上のサービスとして利用できるようにしたものです。いわゆるSaaS(Software as a Service の略)ですね。

SaaSまで来ると、Web系企業と変わらないですよね。ただ、システムの性質が異なっていてSIerが提供するものはERPとか基幹業務システムと呼ばれる、無くてはならない(ミッションクリティカル)システムが多いです。一方でWeb系企業はミッションクリティカルでないものが多いと思います。

ただ、全てがSaaSやパッケージシステムに置き換わったわけではなく、特に専門性が必要なシステム等はオーダーメイドで提供するものもあります。ただ今時、SIerだって色々やっているしWeb系のシステムだって提供しているよってことです。

エンジニアとして自分が何を重視するか

一概にWeb系がいいとかフリーランスがいいとか言えるものではありませんが、SIerとWeb系といわれる企業の違いは開発しているシステムの性質以外にも色々あると思います。その違いをふまえて自分が何を重視するかによって選択も変わります。

【技術志向よりサービス志向】技術はサービスを実現するための手段。技術のスペシャリストは生きづらい。

ここからはどんな企業にも共通して、エンジニアとして必要なことは何かお話したいと思います。

さて、エンジニアになる理由は何でしょうか?

・新しい技術を使って何かシステムを作りたい。

・プログラミングが好きだからプログラミングを一生の仕事にしたい。

・Pythonの人気が高くて給料もいいみたいだから、Pythonを勉強してエンジニアに転職しよう。

・今の業界はきついから未経験だけどエンジニアに転職したい。SIerはオワコンだって聞くから、Web系にしよう。

こんな風に考えている人はいませんか? これは全てダメな例です。特に今現在、IT以外の業種で働いている方が、給料等の待遇面での不満を解消するためだけにエンジニアとして転職をすることは全くおすすめできません。

これらの何がダメか。一言で言えば「サービス志向でないから」です。

ITで求められることは、BtoBではユーザー・クライアントの業務を効率化・改革することです。BtoCであれば個人の生活をより豊かにする、便利にすることです。何をすれば現状を変えることができるか、まずはそこから始まります。新しい技術を勉強することは重要ですが、それは何かを変えようとしたときに、手段が増えるからです。

技術はあくまで手段であり、目的ではありません。新しい技術を勉強したから是非それを活かした新しいシステム・サービスを作りたいと考えることはよくあると思いますが、実際にそれが製品化されて、大きな売り上げを得られる可能性は低いと思います。

何をするにも目的がなければうまくいかないということは皆さんも感じると思います。目的があるからこそ、色々な手段を駆使して、勉強して、努力を続けられるのだと思います。ITでもそれは一緒でし、ITそのものが目的達成のための手段です。

ニーズをとらえてサービスを考え、ITでそれを実現するのがIT企業であり、ITエンジニアです。企業はより大きな利益を得て成長し、株主、社員へ還元していくことが目的です。そのためには、ユーザー・クライアントに価値あるシステム・サービスを提供する必要があります。その対価として企業が利益を得て、社員であるエンジニアはそこから給料を得るわけです。

これが当たり前のことだと思われますか?

残念ながら当たり前ではないです。少なくとも私が15年以上働いて感じた限りでは、企業は利益優先になり、ユーザーに相応の価値を提供することは思った以上に難しいです。これは特定の企業のことではなく、働いている中で見てきた企業全般に言えることです。

「自分達はこんないいものを作りました、是非買ってください。どう活用するかはお客様しだいです。」

そんなこと言われて買いますか? ただなら使ってもいいけど、そんな価格に見合った価値があるかわからないのにお金払えないですよね。

エンジニア1人1人が、どうすればユーザーに喜ばれるのか考えなければいいシステム・サービスはできないです。指揮する人だけが考えても、周りの共感がなければできないんです。

はじめにサービス志向なんて言いましたが、要するに、「どうすればユーザーに喜ばれるのか」を考えることが重要だということです。それは、全く新しいサービスを考えろってことではなく、どんな仕事でもそれを中心に考えましょうということです。

技術のスペシャリストとして生きていくとしても、新技術の研究者でもない限りはユーザーの事を考えなければダメなんです。また、いくらユーザーの事を考えても、ユーザーの声を直に聞いて話をしなければいいものは作れないんです。

本当に技術のスペシャリストとして生きるのならば、仕事以外の時間で相当な情報収集、勉強をしつづけなければ認められるような人材にはならないでしょう。

エンジニアになる理由を説明できるか

先ほど挙げたエンジニアになる理由について、自分が該当していたら考えてみてください。

・技術は常に移り変わりますが、最新技術を追い続け、それで何をなしますか?

・プログラミングなんてできる人はたくさんいるし、どんどん若い人が出てきますが、他の人との違いは何ですか?

・PythonのエンジニアになってAIで何を変革したいのですか?

・Web系エンジニアになって誰のためのどんなサービスを提供したいのですか? SIerの何が合わないのですか?

Web系 SIer コンサル 新卒ではどこがいいか? 未経験転職ではどこがいいか?

企業に勤めるのならば、その会社で自分が何をしたいのかを考えてみてください。フリーランスはもっと厳しいですよ、自分の売りが無ければ高単価の仕事なんて無理です。

次はWeb系とかSIerのメリット・デメリットや、未経験でエンジニアを目指す上で意識したいこと等をお話したいと思います。

Web系とSIerの特徴とそれぞれのメリット・デメリット

Web系企業とSIerの特徴を踏まえて、就職先として選択するメリット・デメリットをお話ししたいと思います。

Web系企業とは何か?

まず、Web系企業について一般的な明確な定義はありません。そこでここでは誤解がないように、「自社でシステムを開発し、Web上でサービス展開している企業」をWeb系企業とします。

特徴

お客様から依頼を受けてシステムを開発する「受託開発」は行わず、開発からサービスまで全て自社で完結している。(部分的な外注はある)
BtoCが中心で薄利多売のビジネスモデルの企業が多い。
大手ではプラットフォーム(ユーザー独自のシステムを構築する基盤)をサービスとして展開して、BtoBを中心としている企業もある。
比較的に企業自体が新しく、社員の平均年齢も若い。
ほとんどのサービスは、ユーザーにとって、無くてはならない(ミッションクリティカル)ものではない。
少人数でスピーディーに進める必要があるので、社員個々の技術レベルは平均的に高い。

メリット

自社完結のため、自社でコントロールできることが多い。たとえば、新機能の企画や開発、リリース時期等を自社で決定できて、変更も比較的容易にできる。
自社サービスであり、ミッションクリティカルでもないので、最新技術を取り入れるなどの挑戦がしやすい。
経営陣、社員ともに比較的若いため、働き方の自由度が高く、上司・部下・同僚間などの風通しがいいことが多い。
企画・開発・運用など広範に渡って関わることができ、重要な意思決定にも影響を与えられる。このため、責任感をもって働けることに魅力を感る人にとっては楽しい。
技術のスペシャリストとしてずっと働くこともしやすい。

デメリット

流行り廃りが早く、価格競争に陥りやすく、絶対的地位を確立している一部大手を除いて、安定した収益を得づらい。このため、社員の給料も上がりづらい。
企業自体の歴史が浅いため、社内規則や社員育成施策が整っていないことが多い。社内規則が整っていないことは自由ともとらえられるが、コンプライアンス上、何か問題があった時に社員が守られない可能性がある。
最新技術の学習や技術の向上をし続けられなければついていけない。
小規模な会社では技術力がなければ話にならない。

SIerとは何か?

SIerについては先に述べましたが、改めて特徴をまとめ、メリット・デメリットを考えます。

まず本来、SI(システムインテグレーション)とはITインフラも含めた総合的なシステムの設計、開発、運用・保守をすべて請け負う仕事です。それを行う企業をシステムインテグレーターと言いますが、日本でゃSIerとも呼ばれています。ただし、今回はWeb系企業に属さないソフトウェア開発会社全般をSIerとしてくくってお話しします。

これからエンジニアを目指す人に向けた記事等で、Web系企業と対比して、Web系以外をSIerとして皮肉めいて呼んでいる印象があるため、ここでは正しく分類することにこだわらずにお話しします。

特徴

お客様から依頼を受けてシステムを開発する「受託開発」や、自社で開発したパッケージシステムのカスタマイズ販売、運用・保守を行うことが中心。
BtoBが中心で1ユーザー当たりの売上・利益がWeb系に比べて圧倒的に高い。
顧客の経営課題を解決するためのシステムの企画・設計を主軸とするコンサルティングファームや、ユーザーから依頼を受けて自社システムの提案や受託開発を行うソフトウェアベンダーとかいわゆるSIerと呼ばれる企業等、多種多様である。
メーカー系やユーザー系と言われる部類の大手SIerは、自社では開発をせず、下請けに安く発注して利益を得ていることが多く(いわゆるピンハネです)、大手の下請け・孫請けの開発を中心としている企業も多い。
比較的に企業自体に歴史があり、経営陣、社員ともに平均年齢は高い。
ユーザーは一般企業に限らず、官公庁や各種団体等で、ユーザーの業務に密接にかかわるミッションクリティカルな大規模システムを取り扱うことが多い。このため、納期、コスト(決められた価格)、品質の全てを高いレベルで守ることが求められる。
最新技術等はあまり用いないので、社員個々の技術レベルは平均的には低い。ただし、会社内には技術が高い人も必要であり、平均的な社員との技術力の差が大きい。

メリット

大規模なチーム開発をすることもあり、協力して作業することを楽しいと思える人、大きな仕事に携わりたい人には向いている。
社内規則が整えられているため、コンプライアンス上の問題が起こりづらい。規則を守っている限りでは、問題が起きても社員は守られる可能性が高い。
社内研修等の人材育成施策が充実しており、プログラミングを全くできなくても新卒採用されやすく、入社後の研修でしっかり学習できる。
ミッションクリティカルなシステムなので、流行り廃りがあまりなく、安定した収益を得やすい。このため、社員個人に大きな問題がない限りは給料も安定して上がりやすい。
プログラミング等の技術よりも、顧客の業務を理解し、課題をとらえて提案、設計ができることが重要なため、技術のスペシャリストでなくても働きやすい。
安定した会社が多いので社会的信用も比較的高い。
コンサルティングファームで経験と実績を積めば、ITコンサルタントとして独立することも考えられる。

デメリット

受託開発(自社パッケージシステムのカスタマイズも基本的には受託開発)では顧客との契約に基づいて価格や納期が決まるため、自社のみでは計画の変更ができず、顧客との調整は必須であり難しい。
ミッションクリティカルなので、最新技術を積極的に取り入れるなどの挑戦はしづらく、実績のある技術で、メーカーサポート等を含めた安定性を重視した開発が求められることが多い。このため、常に最新技術に触れていたいという人には向かない。
年功序列の悪い面が強く残っており、働き方の自由度も低い。ただし、これは年々変化していくのでずっとそうとは言えない。
技術力だけが高くても評価されづらく、また、技術力の高い人は仕事量が多くなりがちであり、不満に感じやすい。
求められる人材はPM(プロジェクトマネージャー)やSE(システムエンジニア)であり、プログラマーはその過程なので、マネージメントや顧客との打ち合わせ等のコミュニケーションを煩わしいと思う人には向いていない。
会社が大きければ大きいほど、自分がやりたい仕事とはマッチしない業務の担当になる可能性が高い。(俗にいう配属ガチャ)
コンサルティングファームは社内での競争が激しく、実力がなければ埋もれてしまう可能性が高い。

【Web系・SIer・コンサルティングファーム】自分に合った会社を選ぶ

いかがでしたでしょうか。ざっくりですがそれぞれの特徴を挙げてみました。次は個々に重視するポイントで場合分けしてどちらが合うか考えてみたいと思います。

最新技術を積極的に使って仕事をしたい人にはWeb系。ただし、サービスおよび会社の将来性などを良く吟味して。

最新技術を積極的に使っていきたいのならWeb系企業がいいでしょう。

SIerやコンサルでも最新技術は知っている必要がありますし、使う必然性があれば使います。ただし、個人の裁量で使うことはまずありえません。ほとんどの人は枯れた技術とも言われる実績のある技術を使用することになります。興味の中心が最新技術にある人にとっては苦痛でしょう。その点、Web系ならば個人の裁量が比較的大きくなるので最新技術も使いやすいでしょう。システムの規模があまり大きくなければ失敗のリスクも小さいですし。ただし、使用するソフトウェアに関してはOSS(オープンソースソフトウェア)を利用することがほとんどなので、有償のソフトウェアは使えないと思った方がいいでしょう。

また、Web系といっても実績のある大手以外は安定して利益を得られるかはわかりません。その会社の提供しているサービスに魅力があるのか、将来性があるのかはよく吟味して選択してください。スタートアップであれば、色々な経験ができる可能性は高いですが、リスクも高いわけですから、なおさら自分が納得して選ばないと後悔します。

少し経験を積んだら転職かフリーランスになろうと考えている場合でも、成功の経験と実績を積まないと厳しいですし。

大きな仕事をしたい。たくさんの人と係わって働きたい。それなら、SIerや総合コンサルティングファーム。

社会で重要な大きな仕事をしたいのであれば、大手のSIerや総合コンサルティングファームがいいでしょう。大手の場合、配属ガチャなど自分ではどうしようもないことも多く、良いことばかりではありません。しかし、社会で必要とされる重要な仕事は大手でなければできません。

中堅でも自社開発のシステム・サービスを中心としている企業であれば、大手と同様の達成感とか楽しさは感じられると思います。下請け中心の企業は達成感もなく、待遇も悪い可能性が高いので避けましょう。

また、こういった企業ではOSSも利用しますが、有償の商用ソフトウェアで開発することも多いです。大規模開発に向いた商用ソフトウェアは非常に優秀なものもあります。Web系しか知らない技術者などは、その価値を知らないでOSSが良いと言っていることがありますが、価格以上の価値がある有償ソフトウェアもあります。その価値を知ることは良い経験になると思います。まあ、中には高すぎて用途があまりに限定的なものもありますが。

独自のサービスやアプリを作って稼ぎたい人は起業しましょう。

自分のアイディアでサービスを提供したいのであれば起業するほかないです。どこかの会社に入って、今の自分のアイディアを実現することはまずできないでしょう。すでにエンジニアとしての経験があって自信もあれば、1人からでもスタートできるでしょう。

エンジニアとしては未経験でもアイディアだけはあるという人が技術を学習して1人でスタートするのは難しいと思います。だからといって経験を積んでから起業なんてゆっくりしていては、別の誰かが先に実現してしまう可能性が高いです。誰も雇わずに自分1人でやるのは無理だと思いましょう。

自由な働き方がしたいし、年功序列とか、上司部下の関係に縛られたくない。それなら若い会社が多いWeb系の方が選択肢が多い。

自由な働き方といっても、時間の制約なのか、勤務する場所なのか、服装とかオフィスの雰囲気なのか色々あります。自分の希望にあった会社を探しましょう。

Web系の方が比較的若い会社が多いので、自分の希望がかなう会社も見つけやすいと思います。Web系だから自由というわけではありませんので、しっかりその会社のことを調べた上で選択しましょう。

将来にあまり不安のない、安定性を求めるなら、SIerやコンサルティングファーム。Web系は一部大手に絞られる。

SIerやコンサルティングファームの方が、流行り廃りの激しいWeb系より安定しています。ただし、SIerでも下請け中心の企業は避け、自社システム・サービスを提供している会社を選びましょう。もっと言えば、主力商品が対象としているユーザーの業界が将来的に発展しそうか安定している会社がいいです。大手の総合コンサルティングファームであれば将来的に独立起業することも目指せます。

ただし、とにかくプログラミングがしたいとか、技術中心で仕事をしたいと考えているのであれば向いていません。最初はプログラミング等の技術から始めても、徐々に、顧客の課題を解決する方法・システムを提案・設計することが中心となり、顧客の業務を深く知ってかかわることが重視されます。

エンジニア未経験からの転職は、現職の業務経験を活かせる会社を選びましょう。Web系ならなおさらです。

エンジニア未経験でもエンジニアとして広く中途採用の募集をしている会社は避けた方がいいでしょう。現職の業界や業務の経験を条件として少人数募集している会社がいいです。

企業側にとって未経験者を採用するメリットを考えれば、自分達に足りないもの、すなわちユーザーの業務に関する知識が欲しいから採用するわけです。単純に技術者として採用するのであれば、教育コストがかかる未経験者はお断りですよね。

Web系企業などで少人数で開発をしている会社からすれば、より、技術以外のメリットが大きくないと採用できませんよね。

逆に、エンジニア未経験可で他に特段の条件もないようであれば、誰でもできる単純作業をさせる人数が足りていないということが考えられます。この場合、非常に待遇が悪いことが想像されますので避けた方がいいでしょう。

新卒では、技術に自信があるならWeb系でもOK。文系学部等の出身であれば中堅・大手SIerやコンサルティングファームの方がおすすめ。

不足している知識や技術を働きながら学習していける自信があれば、Web系でもSIerでもやっていけるでしょう。自分が重視することにあわせて選択してください。

文系出身者等は新人研修がしっかりしている中堅・大手SIerか、大手の総合コンサルティングファームがいいでしょう。技術系の新人研修であれば3カ月~6カ月の期間を設けている会社も少なくありません。また、数カ月研修してから、やっぱり技術系には向いてないと本人や会社が思った時、技術職以外の配属もしてもらえるはずです。

私は新人研修の技術講師を経験していますが、情報系出身かどうかは、技術者としての向き不向きとはあまり関係なく、スタートに差があるだけです。文系出身でも2、3カ月で情報系出身者を追い越すぐらい伸びる方もたくさんいますし、情報系出身者でも伸び幅は人によってかなり異なります。

特にSEとかコンサルとかになると知識として技術力は必要ですが、ユーザーや顧客の業務の知識、課題の解決方法を考えることが重要になってきます。当然、コミュニケーション能力や想像力、考える力が必要で、むしろこちらの方が重要ですので文系出身であることが有利に働くこともあります。

Web系だから一概に良いとは言えない。それぞれの会社をしっかり調べて自分に合うものを探そう。

会社を選択する理由としてはもっといろいろ考えられますが、共通して言えるのは、興味のある会社についてしっかり調べて、自分が納得して選択することが重要です。

エンジニアは楽して稼げるとか、絶対Web系が良いとか、SIerはオワコンだブラックだとか、色々言われていますが、そんなの会社によって全然違います。会社の規模だって大きければ良いというものでもありません。大手の方が給料も高くて、色々と良いところは当然ありますが、それが絶対でもないです。大手ではSEとか名乗っていても、技術のことを全然わからない、プログラムも書いたこともない人とかが大きな顔して下請けに投げてたりしますから。自分が何を重視するかしだいです。

エンジニアになることはそんなにハードルが高くないです。でも、技術だけで高い給料をもらうとなるとハードルはかなり高いです。フリーランスで稼ぐのであればもっともっとハードルが高いです。エンジニアが楽かと言えば、楽ではないと思います。楽しいかどうかは人それぞれ、会社にもよります。

あまり単純に、一部の人から聞いたことなどを鵜呑みにせず、色んな意見を聞く、調べる、自分で考えることを大切にしてください。

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